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子どもの問題

子供の人間関係の悩みが分かるモー娘。「人間関係No way way」

子供は人間関係の悩みを親に言わないし、助けてもらいたくても言葉で表現できなかったりします。

家では明るい子供も、学校での人間関係の悩みに苦しんでいることがあります。私の娘もそうでした。

モー娘。の「人間関係 No way way」は、子供たちが人間関係の問題をどう抱えているかを感じ取ることができます。

記事の内容
・子供の人間関係の悩みは深刻だ
・「人間関係No way way」の歌詞はツラタン
・子供たちは人間関係の悩みを解決する方法を知らない


モー娘。の「人間関係No way way」という楽曲は、今の日本の若者の人間関係の悩みが、彼ら彼女らにとってどんなふうに苦しいのかが伝わってきて、つらくなります。

大人が味わっている人間関係の生きづらさと同じなのでしょうか?

子供たちの現状を分かろうとすることが、周りの大人にはもっと必要です。

そこで今回は、「人間関係 No way way」の歌詞から、子供たちの抱えている人間関係の悩みについて、想いをめぐらします。

この記事を読んでいただくと、子供や若者の多くが抱えている人間関係の悩みについての感覚がが、前より理解できるようになります。

これからの日本と世界を創造していく子供たちにエールを送りたい方は、ぜひ最後までお読みください。

目次

子供の人間関係の悩みは深刻だ

子供の悩みは、大人よりずっと深刻です

大人は仕事や家庭、ママ友との人間関係で、毎日ヘロヘロです。

でも、家庭と学校だけがほぼすべての子どもたちにとっての人間関係の悩みは、大人からすれば些細なことでも、死にたくなるほどつらいものです。

周りの大人が、子供のつらさにもっと心をむけることができたら、子供たちの息のつまる思いは、もっと楽になるでしょう。

モー娘。の歌詞から、子供たちの人間関係の悩みの実感に目を向けていきましょう。

アドラー「あらゆる悩みは人間関係からくる」

モーニング娘の「人間関係 No way way」のミュージックビデオの冒頭に、「人間の悩みは・・・多くが人間関係からくる」という言葉が出てきて、びっくりしました。

これは、20世紀最大の3人の心理療法家の一人、アルフレッド・アドラーの言葉です。アドラーは、岸見一郎著『嫌われる勇気』でとても有名になりましたね。

アドラーの「人間のあらゆる悩みは人間関係にある」という言葉を聞いて、どう思いますか?

私たちはいろんな人間関係で悩んでいますが、例えば、お金の問題の原因までもが人間関係なのでしょうか?

実は、

そうなんです。

お金は人と人との間を循環するものなので、お金の悩みは人間関係の問題と直結しています。また、お金についての不満や不安は、他人と比較することで強く感じます。なので、お金の問題には必ず人間関係が関係します。

このように、一見、人間関係の問題とは無関係に見える悩みでも、私たちのあらゆる悩みは人間関係の問題が土台にある、とアドラーは言っているのです。

子供にとって人間関係の悩みは、ものすごく深刻

大人の「あらゆる悩みが人間関係にある」のだとしたら、子供の悩みは、それ以上に深く人間関係の問題からきています。

子供が生きている世界は、ほとんど家庭と学校です。
子供にとって、家庭と学校がほとんどすべての世界なのだから、そこでの人間関係のは、生きていることそのもの、人生そのものです。
でも、大人になってしまった私たちは、自分の抱える問題に心を奪われて、子どもたちの悩みの深刻さに、なかなか目が向きません。
「チョットした失敗を笑われた」とか、「LINEを既読スルーされた」とかが、本当につらくて重く心にのしかかってしまう子供も多いのです。

「人間関係No way way」の歌詞はツラタン

人間関係リセット症候群の特徴

まずはモー娘。のステキなパフォーマンスと、「人間関係No way way」の歌詞の内容のギャップを見ていきましょう。

ギャップが大きい分、子供たちの諦めやどうしようもできない無力感が伝わってきます。

ギャップのなかにあふれている、若者たちの現在を見ていきましょう

パフォーマンスと歌詞のギャップ

モー娘。の「人間関係No way way」をはじめて聴いたとき、ショックを受けました。

アドラーの言葉の後、歌が始まると、その歌詞の暗さ、深刻さに、思わず「ツラタン」とつぶやいてしまいました。(娘がまだ中学生のころ、苦しいことがあると、よく「ああ、ツラタン」と言っていました。普通に「つらい」と言うより、もっとつらさが伝わってきました。)

モー娘。たちはみんなかわいくて、おしゃれにキレのよいダンスで、ピチピチです。
その若い女性たちの甘くもかっこいいダンスが、深刻な歌詞と、すごくマッチしているようで、かなりのギャップがあって、違和感をもちながら、音楽として楽しめる不思議さが、私には新感覚でした。

歌詞に流れる諦め、無力感

でも、モー娘。の「人間関係 No way way」の違和感から、映画「ダンサー・イン・ザ・ダーク」です。

アイスランドの歌姫ビヨーク主演のミュージカル映画「ダンサー・イン・ザ・ダーク」は、救いのない暗いストーリーの中で、絶望の主人公が歌って踊ります。これだけ暗い話の場面場面で、歌って踊ってしまうのだけれど、テーマの深刻さは深いままです。

「人間関係No way way」の歌詞には、子供たちが、今感じている息苦しさや深い諦めが描かれてあって、それをかっこよく踊るパフォーマンスに胸をつかれます。

子供たちは人間関係の悩みを解決する方法を知らない

子供たちは人間関係の中で窒息しそうな状態なのに、どうしたら解決できるのかを知りません。

人間関係の中で自分を出せずにいるので、自分の本当の考えや感情が分からなくなっているようです。

大切なのは、率直で対等な人間関係を持つことを、まずは大人が目指し、子供にも家庭や学校でその力をつけることです。

人間関係の悩みを解決する方法を知らない

「すべての悩みは、人間関係からくる」のだから、誰もが、人間関係の悩みに日々向き合って乗り越えて成長し、生きていきます。誰でもそうやって人生を生きています。

でも、最近、特に若い人たちが、学校や職場での人間関係を悩む悩み方が、あまりに大変そうだからです。

20歳前後の若いクライアントさん達が、学校や職場の人間関係の悩みに対して、「自分はコミュニケーション力がない」「私の〇〇な性格を直さなければ・・」と、ものすごく深刻に自分にダメ出しをし続けています。そのことに、私はショックを受けているし、怒ってもいます。(その原因のかなりの部分に、日本の学校教育があると思って、怒れています)


それが
「人間関係No way way」の中のこの歌詞ではこんな風に表現されています。

「めっちゃ良い子でいたいよ もちろんそりゃ
傷つけたくないもん ほんとうだよ
尊重するよ 否定だって絶対にしない  
完璧主義 自分は後回しで」

私のところに相談に来る人は、本当にいい人が多いです。人のことを傷つけないようにと心から願っているし、相手の話を否定せず、相手の存在を尊重することに心を砕いています。それを完璧にやろうとして、自分のことはいつも後回し。

でも
そうやって、いつも自分のことを後回しにしているので、「本当の自分」が分からなくなり、自分への厳しいダメ出しで自分を苦しめています。

自分が何をしたいのか分からない

自分をいつも後回しにしているので、自分が今何を考えているか、どう感じているかが、自分でも分からなくなり、気づけば、いつもモヤモヤしていて、
「自分って何?」
「私は何がしたいの?」
と迷子になってしまって、戻る道が分からなくなっています。

率直で対等な人間関係を築けない

人間関係リセット症候群

いつも自分を後回しにして、自分の考えも感情も大切にしてこなかったために、自分の考えも、本当の感情も分からなくなってしまった子供は、いつになったら、どうやったら、モヤモヤした気分が晴れ、「自分」をとりもどせるのでしょうか?

「人の気持ちを傷つけない、否定しない」ことを完璧に貫いたまま大人になってしまうと、社会の中で、自分の想いや感情を大切にしていくのは、学校時代よりももっとむずかしくなってしまうでしょう。

学校教育の中で、もっと楽に「率直で対等な人間関係」が築けるようになる取り組みをしていかねばならないと強く思います。

次回は、「人間関係No way way」の歌詞の中に、子供たちの人間関係の悩みを解決していくヒントを探っていきます。

まとめ

モーニング娘。の「人間関係No way way」のビデオは、「あらゆる悩みは人間関係からくる」というアドラーの言葉から始まる。子供にとっては、大人以上に人間関係の悩みは深刻だ。モー娘。のかわいさ、かっこよさとは矛盾するような歌詞の内容が、最近の子供たちの人間関係の生きづらさをよく表していて、胸がいたい。子供たちは、自分の考えや感情よりも、他人を傷つけず肯定することに心を砕くあまり、自分の「本当の考えや感情」が分からなくなり、モヤモヤしている。そこから抜け出す方法を知らないまま、社会に出ていき、自分のコミュニケーション力の低さ、自分の性格の弱さを何とかしなければならないと思うが、どうしたらいいか分からない。家庭や学校で、楽に「率直で対等な人間関係」を築く力をはぐくむ必要がある。

次回は、子供たちの人間関係の悩みを解決していく方法を考えます。



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