あきらめないで「人間関係No way way」悩み解決法
でも、人間関係をリセットするより、人間関係の問題は根本解決して、もっと楽にゆたかなつながりの中で生きていきたいですよね。
目次
- ○ リセットの勧め? 「人間関係No way way」
- ・暗く重い気持ち
- ・一気にリセットへ
- ・リセット症候群になるしかない!?
- ○ カン違いの解決策
- ・強さと勇気
- ・人のせいにしない
- ○ 本当の解決策
- ・弱くていい
- ・自分を受けとる
- ・弱さとつながる
リセットの勧め? 「人間関係No way way」
モー娘。の「人間関係No way way」を聴いたことありますか?
若い女の子のたちが元気にキレッキレに踊りながら歌っている、その歌詞の重さ、救いのなさに暗い気持ちがあふれています。
暗く重い気持ち
私は39年間公立学校(4年間小学校、35年間高校で国語)の教員をしてきました。スクールカウンセラーと共に生徒・保護者の相談にもあたってきました。
年を追うごとに、生徒たちの人間関係に、薄い膜がかかったような出口のないような感覚が濃くなってきた感があります。
この歌から、今の若者たちの人間関係の悩みを、どんな感覚でかんじているのか、あらためて教えられました。
そして、それを生々しく表現している作詞家 児玉雨子さんはスゴイなあ、と感心しています。
一気にリセットへ
この歌詞の中で、心に刺さる言葉がいくつかあります。
まず「リセット」という言葉です。
変わりたいよ
もういっそ Reset
が2回
「ほどけない糸
しょうがないの? Reset」
が2回
人間関係をリセットするって、どういうことなんでしょう?
「リセット」とは
いったんすべてを断ち切り、状況を切りかえること。
コンピューターが正常に動かなくなった時に、強制的に起動しなおすように、うまくいかなくなった人間関係を切り替えるために、いったんすべてを断ち切ることのようです。
でも、この歌詞の流れからすると、断ち切った後に最初からやり直して、正常なよい関係になる期待はなさそうです。
リセット症候群になるしかない!?
「人間関係リセット症候群」とは病気ではなく、ゲームをリセットするかのように人間関係をバッサリと切り捨ててしまう(しまいたい)状態です。
「人間関係No way way」でうたわれている「もういっそ リセット」とは、「いっそ、バッサリ関係を切ってしまおう!」ということなんですね。
どうしようもない人間関係の息苦しさを抜け出す方法は、「リセット」しかないよね。という気持ちが伝わってきます。
実際私の周りでも「フェイスブックをブロックした・された」という話がたまに聞こえてきます。
「リセット以外どうしようもない」という心の苦しさが、この歌詞からは痛いほど伝わってきます。
リセット以外に、人間関係の改善の方法はないのでしょうか?
カン違いの解決策
人間関係がいつまでたってもうまくいかないのは、間違った解決策しか知らないからなのです。
強さと勇気
「人間関係No way way」では、よりよい人間関係を築くためには強さと勇気が必要だ、と考えているようです。
めんどくさいって思う もちろんそりゃ
シンプルがいい それには強くなきゃ
勇気ってあと何度振り絞れば
しあわせになれるか教えてほしい
確かに、率直な人間関係を築いているように見える人は
強そうだし、勇気があるから自分の意見を言っているように見えます。
解決するには強くならなければならない。でも、そんな強さはない。
憧れ ソリタリー
「ごめん 今ひとりにして」
…言えない
Solitary(孤独を好む、隠遁者)に憧れるけど
自分の本当の気持ちは
こわくて言えない。
ひとりになりたいときは、はっきりそう言いたい。
でも、そんな勇気はない。
人のせいにしない
理由なら私自身
だから、すべて私のせい。
自分が弱くてはっきり言えないのが悪い。
私自身が変わらなければ、何も変わらないことは分かっている。でも、強くないし、こわいから、変われない。
友だちの〇〇さんが悪い、とか、親や先生のせいだとかは考えない。人のせいにはしていない。そこがとてもまじめで、けなげです。
誰かのせいにしても何も変わらない。それは根本的な解決にはならないことを知っている。
でも、人のせいにはしていないけど、自分の「弱さ」「臆病さ」のせいにしている。
人のせいにしているときは、自分は被害者であり、相手は加害者です。
自分の性格せいにしているならば、やっぱり自分は自分の性格の被害者です。
何かのせいにしている、という点では、人のせいにしているのと同じです。
被害者でいると、いつまでたっても「無力感」「不幸感」からは抜け出せません。
本当の解決策
私たち大人は、子供たちに本当の解決方法を示したいです。
子供社会は、大人社会のミニチュア、もしくは凝縮されたようなもの。
大人が、子供たちに解決方法をわざわざ教えなくても、私たちが自分の人間関係の息苦しさを自分で解決できるようになれば、それは、子供たちの閉塞感もほどいていくでしょう。
弱くていい
「強くなくちゃ」という叫び、に対して、私はこう言いたい。
「弱くていい」
本当の強さとは、自分の弱さを知っていること。
自分の弱さくらい知っているよ、と思うかもしれませんが、知っているつもりでも、実際には弱さを否定し、弱さをなきものにしようとしていませんか。
ああ、自分はこんなにも弱いんだということを、受けとる、つまり、「自分の弱さとイコールでつながってしまうと、そこに、本当の強さが生まれます。
自分を受けとる
強い自分じゃなければダメ!
勇気を持たなきゃダメ!
と自分を否定しているうちは、前に進めません。
だって、本当の自分は、弱いし、勇気がないのだから。
誰かに、そんなお前ではダメだ!もっと、強くなれ、もっと勇気をモテ!と言われて強くなれるような人は、力づくで自分を自分でプッシュできる人かもしれません。
が、そんな力づくばかりの精神論は自分にも周囲にも苦し雰囲気を生み出します。
人は、自分の現状をだれかに、そのまんま、そうなんだねと受けとってもらえると、なぜか、自然に前に進めるのです。
弱さとつながる
でも、大人になった私たちは、誰も私の現状を「そうなんだね」と受けとってはくれません。
だったら、自分が自分で自分の弱さを受けとればいいのです。
そして、子供たちには、強くなれ、勇気をモテ!ではなく、その苦しさを理解しようという心を働かせることがものすごく大事です。
結果、理解できなくても、理解しようとし続けることが、子供たちの現状を受けとることになり、受けとってもらえた子供たちは、自分で自分の足で、そこを乗り越えてゆけるようになるのです。
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